宮崎敬介 木口木版画展

宮崎駿監督の長男は去年「ゲド戦記」を監督した吾朗さんですが、
次男の方は、敬介さんという木版画の作家さんです。

敬介さんは、オリジナル作品を制作する一方、
映画「耳をすませば」の作中に登場する版画作品を作成されたり、
ジブリ美術館の一部展示品のアートワークや、
ジブリのフリーペーパー「熱風」の表紙を手掛けられてたりも
しています。
もののけ姫メイキングビデオでは、試写会の会場で親子で
談笑する姿が一瞬ですが納められており、クリソツぶりに驚きました。
余談ながら「ゲド戦記」の制作がはじめて発表された去年、
駿監督の息子が監督すると聞いた時、自分はてっきり美大卒の
敬介さんの方かと勘違い・・

武蔵野美術大学の近所の「松明堂ギャラリー」にて
開催された敬介さんと銅版画家・佐藤妙子さんの二人展と
ギャラリートークを見てきました。
今回はギャラリーの20周年を記念しての展示だそうで、
佐藤さんという方は、80年生まれの現在、新潟在住の銅版画家で、
風景と人間のパーツを組み合わせたシュールな作風が敬介さんの
興味を引き付け、実現に至ったとか。

ギャラリートークでは、敬介さんの大学在学中に、
堀田善衛の著書の挿し絵を手掛けた版画家・柄澤齊
(からさわ ひとし)の作品に感銘を受け、木口版画と出会い、
学内の芸術祭で好評を得た事、就職を控えた時期、
この道で進んで行く事の決意表明としてギャラリーで個展を
開いたものの、親戚からの反応はいまいちだった事など(笑)
地道な活動の経緯が聞け、興味深かったです。
トーク中、父上の名前やアニメ関連の話題は当たり前かも
しれませんが一切なく、イベント後に、そのへんの事を個人的に
お話してみようか・・と思ったりもしたのですが、
会場の片付けを自ら行っている姿を見て、考えを改めました。

駿監督は西洋風な作品と同時に、日本という故郷も見つめ、
作品に強く盛り込んできました。
敬介氏も今後、さらにどのように表現されるのか、今後の活躍を
楽しみにしたいと思います。

展示は20日まで開催です。
http://shomeido.jp/gallery/contents/exhibitions/exh2007/200709miyazaki_satoh/200709miyazaki_satoh.html