石ノ森な週末1
『石ノ森章太郎萬画大全集』刊行記念イベント
http://www.ishinomori.com/manga/event.html
全集記念イベントは飯田橋にある角川書店本社にて開催。
この全集、全500巻（61万7400円！！）を12期に分け3年に渡って刊行、
1期ごと40数冊（約5万円）単位でしか購入できないという
私のような貧乏人には手の届かない品っす。（※注1）
ただし、今日のイベントでは全巻購入者のみにしかつかないという
特典映像を特別に上映するのだという。
注文期限を目前にひかえ、団体心理に持ち越そうという角川の
陰謀か？！
受付をすませ、待合い室ロビー右に目をやると
本棚にぎっしり全集500巻のダミーサンプルが置かれている！
他にはケロロ軍曹がプリントした車が展示され
角川書店の看板キャラクターなのをアピールしていた。
しばらくして会場である2階ホールに入場、
石森先生のマネージャーだった
ショッカーO野氏が司会でイベントがスタート。
角川書店コミック担当者の挨拶後（※注2）
上映開始。
特典映像のひとつは、1970年にテレビバラエティ番組に放送された
スタジオゼロ（※注3）制作の歌謡アニメ。
当時流行した歌謡曲に合わせ石森先生のイラストが
NHK「みんなのうた」のように映像の世界で描かれる。
通常アニメーターの絵が映像に用いられる事が多いが
先生自身の絵が使用された映像という点で貴重な作品。
上映された歌謡アニメは「希望（岸洋子）」「しらないで愛されて」
「どこへ行こうかこれから二人」（ともに世良直美）の三本。
「希望」は都会の群集にまみれた女性が子ども時代を
回想する・・というもので、石ノ森先生の故郷東北と思われる
風景がちぎり絵や実写で表現されていて、先生の心象風景、ルーツが
描かれていて素晴らしかった。
先生のご自宅にはこの作品のセル画が保存されてるのだとか。
「しらないで〜」「どこへ〜」は実写の映像の中に「ジュン」を
思わせる1枚イラストがインサートされるというもので、
野心的だった「希望」にくらべるといささかトーンダウンした印象も受けたが、
まぎれもない石森作品の世界観だった。
その後、2001年に放送されたテレビシリーズ「サイボーグ009」の
プロモーション用映像の英語ナレーションバージョンというのが上映。
全編にわたって石ノ森先生の世界観の絵を忠実に再現したとして
ファンの間でも評価の高いアニメーター紺野直幸氏のこだわりが
凝縮された映像で、これまで日本語ナレーションバージョンが
宮城県の記念館などごく限られた場所でしか上映されなかったという
秘蔵映像。こちらも全集全セット購入者のみに付くという
ファン泣かせのものだった。
008ピュンマ（黒人）のキャラが放送時されたバージョンだと
原作とは違ってカッコ良くなってたが、この映像では
ステレオタイプなさえない表情で原作そのままだったりする。
そして、その紺野さんが手掛けるという新作石森作品映像が
会場では先行して流れた。
あの藤子A先生も「大人マンガらしくなったね」と評価されたという
お色気スパイアクション作品が・・！
今年の秋〜来年初頭に放送予定らしいのでか〜なり期待して待ちたいと思います。
（こちらの映像は全集とは関係無し）
（※注1）
手塚全集のようにカラー作品でもすべてモノクロで収録、
しかし超初期の作品から晩年の作品まで
これまでどの単行本にも収録されなかった短編作品も
ほぼ収録されているというのが売りとのこと。
（ただし、版権がクリアーになっていないディズニー関連の
作品は今の所含まれないらしい）
初期の作品〜70年代中期のヒーローもん以外の作品のみを購入しよう！と
思っていた私は早々と購入をあきらめ、図書館などに入荷したものを
読めればいいと思いつつも、全巻購入特典に興味を持っていた。
あわよくば藤子Aランドの時のようにオークションで購入できれば・・と（笑）
（※注2）
パワーポイントで作ったと思われる宣伝資料映像のあと
角川書店コミック担当者のあいさつ、
今回収録の12万枚以上の内、2万枚は原稿が紛失している為
印刷物をスキャン〜デジタル修正〜出力、
さらにホワイト修正をくり返したのだとか。
同社の創業記念事業ともされてる都合、何よりも最後まで刊行するまでを
一番に考えてる為、やむを得ず完全受注生産になってしまった事、
ギネスに申請予定だが、ちゃんと完了するまでは受け付けられないと
いわれた話などがされた。
（※注3）
鈴木伸一、藤子不二雄、赤塚不二夫、つのだじろうなどが設立。
今回上映された石森先生の3作の内、石森プロに現存したのは2作のみで
もう一本は鈴木伸一氏が保管していたフィルムによるものだとか。
ファンクラブの集会にてショッカーO野氏いわく、
石森作品以外の作家の映像も鈴木氏が持ってる可能性があるかもしれない、
らしいです。
（文章の転載、引用はしないでね〜）
