映画「黄色い涙」

永島慎二先生原作で嵐主演の劇場作品、公開から時間が経ちましたが
やっと見てきました。

恵比寿の劇場ではすでに一日一回のみの上映(朝10時半!)と
なっておりましたが、前売りを無駄にしないためにも早起きして・・
ジャニーズ人気でやはり中高生の女の子が圧倒的に多かったです(笑)
底の薄いアイドル映画だったらどうしよう・・と上映開始まで
ドキドキでしたが、時代の空気を再現しようとする作り手の熱意が
序盤から伝わり、最後まで見れました。

1963年、阿佐ヶ谷を舞台に、自分の信じる少年マンガを描くマンガ家
(劇中では永島先生の作品を描いてます)の住むアパートに
歌手志望、画架志望、作家志望の青年が転がり込み
貧乏しながらも、仲良く悶々とするストーリー。

貧乏のくせに外食ばかりだったり、生活費がない〜といいつつ
バイトを探そうとしない姿勢に正直、疑問もありましたが、
劇中の彼らはそういう生活をも楽しみ、違うジャンルの人間が
共存できる姿にうらやましさを感じました。
男同士の中に女性の話題もほとんどなく
連日行動を共にする姿はある意味特種にすら感じます(笑)

マンガ家を描いた映画では「トキワ荘の青春」(早いもんで11年前!)が
思い出しますが、この作品は特定の人物ではなく、あくまで
フィクションのようです。

マンガ好きの目から見ると、永島作品といえば
もう数年後の新宿の街を描いた作品が代表作なのでは?という思いや、
貸本出版社の雰囲気は薄暗く、もっと小規模だったのでは?という
疑問も残りましたが、時代の変化の中、再現するには現時点では
難しいのかもしれません。海外の美術作品にも目を向け
作品に取り込んでいた姿勢を描いた劇場作品も今後見てみたいものです。

劇中で主人公描く作品「かかしが聞いたかえるのはなし」は、
永島先生が虫プロ在籍中、アニメ「ジャングル大帝」演出をしながら
自分の為に描いたもので、ひゅーじょんぷろだくと刊で現行商品として
購入もできるようです。