画ニメ「赤色エレジー」上映会

http://www.ganime.jp/sekishoku/index.html

イラストレーター、マンガ家・林静一さんの70年代「ガロ」連載作品
「赤色エレジー」がご本人の監督、脚本、原画によって
新作映像として蘇る!
DVD発売を記念して渋谷アップリンクファクトリーで開かれた上映会、
林さん、今回の音楽も担当されたあがた森魚さん、
鈴木慶一さんのトークイベント&生演奏&サイン会に参加しました。
アップリンク、かなりのゴブサタでしたが
知らない内に東急文化村ドンキホーテ方面に移動しとった・・

ちなみに「画ニメ」とは一般のテレビアニメとは違った
最小限の原画枚数と音楽で魅せるアート的な映像で、
哀しみのベラドンナ」みたいな路線のようなもんでしょうか。
この作品以外にも色んな作品が東映からシリーズでDVD発売された
ようです。広告の画像を見ると「舞姫」という作品は
ベラドンナ」を意識したような作風で興味深い・・かも。

新作「赤色エレジー」は、東映動画出身でもある林さん自らの
40年ぶりのリメイクでしたが、現在の林さんの視点から見た
回想録・・という印象です。
林さんといえば、80年代以降は「赤色」当時の絵柄とは
やや異なる画風へ進まれましたが、
今回の主要人物の絵柄は結構当時の絵柄に忠実に描かれ、
とても丁寧な作りでした。

ただ、ちょっとキレイすぎる画面が気になり、
原作の持つ闇の部分、シュールな表現、昭和の匂いや体温が
もうひとつで、CG技術で表現するにはもう少し時間が必要かな・・と
思いました。
今後、もっと技術力、表現力もあがった際には
しつこいくらい叙情満載の「赤色エレジー」見てみたいです。

トークイベントでは
「こども社会」「おとな社会」しかなかった日本に
若者文化が一斉に花開いた60,70年代の時代背景、
林さんが22才の頃、週刊アサヒに「わからないマンガがはやる」と
いうグラビアで紹介され、後にアサヒジャーナルに
「「ガロ」ブーム終焉」と書かれ、本当に下火になった・・という
エピソードや、早稲田大学の学園祭で林さん、つげさん、
佐々木マキさんなどが講演した際は、隣の講堂で開かれた
吉本隆明を抜く動員だった・・とのことでした。

また、サインをいただく際、林さんに
東映動画「ホルスの大冒険」で手掛けられたシーンをたずねると
ホルスがロープを登るシーン、滝を流れるシーンだったが
それ以後は制作中断のため、虫プロで「ワンダースリー」総指揮を
手掛けた・・という話を短時間でお話くださいました。
この他、林さんは一時期テレビ局の報道局に在籍してた時もあり、
ゴールデンタイム放送が報道番組から歌謡路線に変更した
時期を現場で体感されたり、「時代を代表する若者」的な
存在でテレビ局からアプローチを受け、ゲバゲバ90分
何もしなかったのにクレジットされたり・・と多岐に渡る活動をされてたとか。
(自伝が読みたい!)

今日のトークイベントのメンバーは、まんま
あがた森魚さんのアルバム「乙女のロマン」の主要メンバーでもあり、
このアルバムの観音開きになるジャケット、小冊子は
林さんのアートワークが全面にフューチャーされた素晴らしいもので、
CDにはこれらが再現されず、勿体なく感じました。