男鹿和雄展

本日より東京都現代美術館で開催になった
男鹿和雄展」にいってきました。
男鹿さんは、トトロ以降のジブリ作品の美術(背景)のメイン
スタッフで・・詳細はオフィシャルなどをご覧ください(笑)

自分は中学生の頃、徳間書店から発売されたムック本「ロマンアルバム」で、男鹿さんの作品に感銘を受け、水彩のにじみの効果などを
美術の課題作品を描く際に大いに影響を受けました。
その本物の原画を直に触れる事ができるとは・・

会場に着いたのは12時頃で、すでにチケット購入には列が。
幸いローソンで購入していたので並ばずにすみ、
音声ガイド(500円)を耳にしながら観覧しました。
ガイド進行は、声優の日高のり子さん(トトロのサツキ、タッチの南)
他には鈴木P、男鹿さんの後輩にあたる美術スタッフ田中さんによる
コメント入りで、展示作品ごとに映画のメインテーマも流れ
効果バツグンでありました。
「大人しそうだが監督のおしゃべりにうるさいといえる人」という
エピソードは初耳でしたが、より人間的魅力を感じました(笑)

侍ジャイアンツ」「はだしのゲン」「幻魔対戦」「魔界転生」などの
初期作品からはじまり、ジブリ作品コーナでは他コーナーと違って
照明が暗く、保存に気をつかってるようです。
作品によっては、完成作品と試作段階の背景ボードが
並べてされてるものもあり、それらは監督からの指摘で修正が
加わった部分などが伺え、本番用の作品は効果的に画面が
引き締まった感が強かったです。

個人名義での絵本や、挿し絵作品なども展示は、アニメ作品とは
また違ったアプローチで、日本の風土に迫った印象を受けました。
クレヨンを使った近年の作品は、新作準備段階の宮崎監督に
刺激を与えたのかもしれません。
正直これらの作品は一見地味に感じたのですが、観覧者の目には
どんな風に映った事でしょう?
ジブリのブランドを離れた作品の評価、興味深いです。

会場は人が多かった事もあり、人をよけながら見ただけで2時間かかり、
他にも制作風景を映像で紹介したコーナーや、
大きくプリントされた背景と写真撮影ができるコーナーもあったのですが、残念ながら力つき、次回何かしらイベントなどが行われた際にでも
再度改めてじっくり観賞しようと思いました。

物販コーナーはすごい混み具合で、作品集などからポストカード、
キャラクターグッズ、パッケージを手掛けた秋田の銘酒など盛り沢山!
自分は充実した図録(2800円)のみを購入し、会場をあとにしました。

その後、展示会場とは離れた別の1階グッズショップで
岡本太郎や、大竹伸朗などの本を眺めていたら、
なんと男鹿さんや、鈴木P、女優・吉永小百合さんのサイン本が
少部販売・・! 迷わず即購入(笑)
人が比較的少なかった事が幸いでした。

これまでこの手の展覧会は、
(2004年「日本漫画映画の全貌展」去年の「ディズニーアート展」)
時代の流れに沿った数々の作家作品を総合的に展示する傾向が
強かったですが、今回一人のアニメスタッフに焦点を絞った事で、
より詳細な制作過程を体感する事ができたように思います。
どのような経緯で展示が実現したのかは知りませんが、
現在はジブリを離れ、フリーの立場の男鹿さんの作品がこうした形で
大きく展開された影響が、今後も新たな展示につながる事を祈りたいです。