映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

ミュージシャンのノラ・ジョーンズ初主演、
ウォン・カーウァイ監督新作を見ました。
すでにサントラCDをリピートして聴いてたので、
音楽がいかに映像とマッチするか楽しみでありました。

映像はぼかし、スローモーションを多様した雰囲気を重視したもので、
女性的な感じ・・どうしておっさんの監督がこんなに魅力ある
ニュアンスを掴めるのでしょうか。

失恋したノラ・ジョーンズは、よく通うニューヨークカフェの男と
イイ感じになるのですが、元彼が忘れられず
ある日自分を変えるべく、外から眺める元彼の部屋に別れを告げ、
旅に出ます。
そして車の購入を目的に金をためるべく、
行く先々で名前を変え、飲食店やカジノでバイトに明け暮れます。
若い嫁を忘れられずアル中となる警察官、
人を信用しないギャンブル好きな女(ナタリー・ポートマン)・・
個性的な客と出会い、一年が経とうとした頃、再び彼女は
ニューヨークに戻る事に・・といった物語。

ノラ・ジョーンズ演じる主人公は世間に対して擦れてなく、
名作劇場の主人公のようです。結局、彼女は主人公でありながら、
映画の中では傍観者に過ぎなかったのでは?という印象が
拭えませんでした。人との出会いが成長させたという事なのでしょうか。

映画が開始してしばらくは、東洋人が西洋人ぶったニセ映画を
作りおって!と正直うがった見方をしておったのですが、
ナタリーポートマンがいつもとは真逆の芝居で登場したあたりからは
ストーリーの流れに沿った映像をそのまま楽しもうと意識が
変わって来ました。
個人的にはノラとポートマンがタンクトップ姿で
ベッドから起きるシーンがどこかエロチックで。
二人が広い大地をバックに運転するシーンは
どこかドラマチックで、もっと見せ場があってもよかったような。

映画としては失恋した直後、小雨の降る中たまたま一人で入った映画館で
なんとなく感傷的に見てみたい作品でありました。