上田トシコ先生について語るイベント

杉並アニメミュージアムにて先日、先頃お亡くなりになった
上田トシコ先生のトークイベントがあり、行って来ました。

会場には先生を偲ぶ著名人の方の色紙も多数展示されており
当時の読者だったという女優・木ノ実ナナさんや浅丘ルリ子さん、
マンガ界からはちばてつや先生、藤子A先生、水野英子先生、
手塚プロ松谷社長など豪華な方々50名くらいの色紙が
ズラリと並んでおり圧倒された。
さいとう・たかを先生の色紙は珍しいフイチンさんの絵とゴルゴの
・・目だけ(笑)

トークイベントはちば先生、わたなべまさこ先生、松本かつぢ先生の
妹弟子だったというイラストレータ田村セツコ先生、そして
鈴木伸一館長が壇上にてトークだったが、会場にいらしてた
「少女クラブ」編集の丸山昭さん、当時フイチンさん担当だった
女性編集者の方、水野英子先生、バロン吉元先生、しのだひでお先生、
松谷社長、ウノカマキリさん、弥生美術館学芸員の方、
そして上田先生のお師匠・松本かつぢ先生のご子息様も
参加席から先生の思い出を語っておられた。

戦時中に上田先生がいたハルピンはロシア人が多く
異文化の交流が盛んで国際的な土地柄であったそうだ。
背が高く、シャレたパイプでタバコを燻らす姿はカッコよく、
当時、男社会の風潮の強かったマンガ界で、女流マンガ家の
立場を考えておられた先人といった発言が多かった。
若き日のちば先生たちはマンガ家としてしっかりしなさいと
先輩だった上田先生に言われる事もあったとか。

シャープで動きのある作風は近年アニメにもなり、
完成度も高かったが、上田先生から試写の段階でダメ出しが
入り、作品にポリシーのある先生はどうしても譲られなかったという
一面もあったようだ。

トークの最後の質議応答で、上田先生にとって
その後の少女マンガの世界観はどのように目に映っていたのか
興味があり挙手しようと思ったが、とても勇気が出なかった。
あらためて上田先生作品を読み返してみたいと思う。

また、会場の記念館では、上記とは別におとぎプロと虫プロ
展示も行われており、貴重な当時の資料が見れた。
おとぎプロから発行された会誌はデザインがシャレてて
個人的にかなり興味深かった。

日本発の連続テレビアニメ「インスタントヒストリー」も
会場で上映されているのでぜひこの機会を逃さないようにしたい。